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Re:Re:みちくさ

ゆるくいきてます

わたくし史上最大のネタバレ

何の枕もなくいきなり本題に入っちゃいますけれども~

 

このご時世 Twitterなどやっておりますと

録画しているドラマのネタバレなんかが

不可抗力で目に飛び込んできてしまうのは

もはや当たり前で

そこでドラマの内容を知ってしまっても

さほど悔しくないというか

一つの物語をみんなで共有しながら楽しむことありきなフシがあるし

ネタバレを読んでしまったからと言って

ドラマの面白さが損なわれることはないというか

別目線で楽しむ術を身につけてしまったというか

なので

テレビドラマのネタバレについては

さほど いや 全然気にならない所まで心頭滅却しているわたくしでありますが

そんな仏のわたしでも

過去に一度 殺意を覚えるほどの出来事がありましてですね

 

 

時を遡ること十年前だったかな??(全然鮮明じゃない)

 

ザ・コンボイというパフォーマンスグループのディナーショーに

行った時のことでした

 

ディナーショーと言うくらいだから

ディナータイムとショータイムに別れていて

ディナータイムの折に

同じテーブルに着いた方達と

これからのショータイムを一緒に楽しみましょうね~などと会話を交わしながら

お酒を飲んだり 食事をしたりするのが

楽しみの一つだったりもするわけですが

その年 わたしたちと同じテーブルについた方は

それはそれはもう とんでもない方々だったのであります

 

まずは

食事をサーブしてくだる方への態度が見るからに横柄で

何度も呼びつけては 文句を言っているのを見て

わたしは内心

「あちゃ~」

と思っていました

なるべくお話などせず 関わらずにおこうと距離を置いていたら

そのお姉さま方がわたしたちに話しかけてきました

「いつから好きなの?」

あ… これ… もう明らかにあれだ…

わたしたちのほうがあんたたちよりずっと前から彼らを知ってるわよ的な

そういうプレッシャーかけてきてる…

と思ったので

「あ~ わたしたちなんてATOMの公演くらいからなのでペーペーですよ!」

な~んて お茶を濁していた

同行した友も わたしと同じような人間なので

このお姉さま達の高圧的な雰囲気をすぐさま察知して

余計なことは一言も言わず のらりくらりと過ごしていた

 

お姉さま方は

ディナータイムで出された食事に 

文字通りフォークをぶっさして

「おいしくないよね この値段とってこんな食事 最悪だよね」

と 更にまずくなるような呪文をかけながら

苦虫をかみつぶしたようなお顔をなさっておられた

それまで美味しいなぁと思って食べていたわたしたちは

後で

「いかにうちらの舌が貧乏舌かってことだよね~」

と笑い合ったものだ

 

それからショーが始まるまでに 

お姉さま方がずいぶん話かけてこられたので

本腰を入れずに相槌を打つというテクニックを

余すところなく駆使していた

すると

「わたしたち 大阪のディナーショーにも行ったし

 札幌にも行ったのよ 今日が五回目」

「ごごごごごかいめーっ?! お金持ちですねぇぇぇぇ!!」

(この時ばかりは素直に驚いて 素直にリアクションしてしまった)

「あなたたちグッズは買った?」

とおっしゃるので

「いえ 今回のグッズ それほど欲しいものがなかったので買ってません」

と応えると

「わたしたち あちこちでグッズ買っちゃって必要ないから

 この一式あげるわ」

と言われた

「え… そんな… 申し訳ないです…」

と言うと

「持って帰っても荷物になるだけだし 貰ってくれた方がありがたいから」

と言われて

なんとなく押し付けられるような形ではあったけれど

ありがたくグッズを頂戴した 

でも 施しを受けてしまった感が拭えなくて

いまだにこの時のグッズのことは 友人との語り草となってしまっている

 

しかし ここまでのことはまだ序の口だった

 

問題はここからだったのだ

 

「今回は記念すべき節目の年だから

 相当作り込んできてるわよ

 一番最後にあれやるのよ

『カリント工場の煙突の上に』!

 でも もう昔みたいじゃないから ダンスにキレもないけどね」

 

わなわなわなわなわなわなわなわな

 

わたしたちはこれから初めて観るんですよ?

あなたたちのように一年に五回もディナーショーに来れる身分ではないのですよ?

なけなしのお金を一年間貯めて貯めて

ようやくディナーショーと宿泊代金を捻出して

一年にたった一度 ここでの贅沢な時間を楽しみにしてきているのに

このショーの一番のサプライズであろう演目を

ペラペラと目の前でしゃべってくれちゃうこのお姉さま方に

たぶん生まれて初めて殺意を抱いた

 

『カリント工場の煙突の上に』

とは

ザ・コンボイショー『ATOM』という公演の中で

ショーのクライマックスで踊られるダンスナンバーで

初めて生でこれを観た時 全身を貫いた鳥肌の感覚は

今も 細胞レベルで覚えているくらい鮮明で

観終わった後 しばらく席を立つことが出来ずに

その場で泣き崩れてしまうくらいの作品だった


CONVOY SHOW-ATOM-カリント工場の煙突の上に - YouTube

 

探してみたら偶然にも動画があったけれど

こんな映像じゃ何も伝わらないので

貼ろうかどうしようか迷った

でも とりあえずこんな感じなんだなぁってことが

ちょっとでも伝わればいいなぁと思って

貼ってみました…

 

どうしても付け加えておきたいのは

このカリント工場のダンスナンバーに来るまでに

3時間はみっちり芝居して ダンスして 歌って

という

体力消耗タイムがあったことを

お分かりいただけたらと思う

そんな消耗しきった後での この全力のダンスである

 

そらもう涙も出ちゃうよね

彼らはまるでアスリートみたいだった

 

なのでなので

わたしにとって

カリント工場は特別なナンバーで

再びあれを観ることが出来るなんて

それこそ飛び上がるくらい嬉しい事だったりしたのだけれど

これから何が出てくるかわからないディナーショーの内容を

しかもクライマックスの内容を

その場で 生で 直前に知らされた時の

あの絶望感と言ったら…

相手を刺して自分も死ぬ くらいの殺意が沸き起こっても

おかしくないほどだった…

言ってみればネタバレの大横綱を経験してしまっただけに

日々のドラマのネタバレなど

わたしにとっちゃあ 蚊に刺されたほども感じないというわけだ

だって テレビドラマは その場で 生で観るわけじゃないもの

不特定多数のみんながそれぞれの生活時間で

それぞれの都合で それぞれの形態で観ているもので

それに対する感想を抱いて

その新鮮な気持ちをつぶやくって

すごく面白いことだし

そういうのを読んでからドラマを観た方が

より大きな発見があったり

話の筋を追うエネルギーを別な所に使えたりもして

すごく楽しいなぁと思う

 

 

しかし

カリント工場に関してだけは

もしも あの時 あのお姉さま方に その演目を知らされていなかったら

多分 その場で泣き崩れてしまっていたと思う

初めて彼らを観た時の懐かしさと感動と幸せが

堰を切って押し寄せてきて

そこに完全に飲み込まれてしまっていたと思う

わたしは そんな瞬間を見事に味わいそこなってしまった

その思いが

まるで亡霊みたいに わたしの中にはりついていて

全然成仏していない

今だに彼らのディナーショーに行きたい気持ちを掻き立てにくる

もう あの時のような勢いもなくなってしまっただろうし

本公演もここしばらくはやっていない彼ら

完全にディナーショー専用グループとなって

普段は個人の仕事をしている彼ら

その彼らに あの時と同じような熱を感じることは

きっと出来ないだろうというのが本音だったりする

 

もうビデオでしか観ることができなくて

しかも何度も何度も観てしまっているから

当然劣化も激しくて

今再生なんかしても 誰が誰やら判別がつかないくらいになっているに違いない

それでも

もう一度 

あの舞台を観たい あのメンバーで観たい

 

『ATOM』は 海を越えて

韓国で選ばれた青年たちにより上演されたらしい

それもそれでパワフルな舞台だっただろうけれど

わたしがもう一度観たいのは

あの時の彼らだったりする

もう二度と叶わない願いなのだけれど

 

せめてDVDで発売されていたらなぁ…

生で観ることが叶わないのであれば

せめて ちゃんとした映像で手元に残しておきたかったなぁ…

 

なんて思いながら

今までの公演のダイジェストを集めたDVDを

再生しちゃう真夜中なのであります

 

なんだか虫生に昔が懐かしくてたまらないこの頃

決して戻りたいわけではないけれど

あの頃感じ損ねたことを

今の自分でもう一度感じたい などと

もしかしたら 思っているのかもしれないなぁ と…

 

【追記】

ちなみに韓国バージョンで上演された『ATOM』の映像も発見


CONVOY SHOW-I GOTTA LIFE - YouTube

 

オリジナルメンバーのが観たいですわ…

 

今あらためてみるとショーパブ的な要素満載ですね(笑)

ここにタップダンスも加わって

ちゃんとしたお芝居も加わって

一人一人にスポットがちゃんと当たって

完全なる宛書だから アンダースタディがいないという恐ろしさ

ほんとにすごいグループだった…

 

タップグループのストライプスを率いておられるHIDEBOHさんが

タップの振付をなさっていて

それはそれはもう圧巻

 

ちなみにHIDEBOHさんが振付をされた座頭市のタップがこちら


Zatoichi Dance - Japanese tap dance 座頭市ダンス - 日本 ...

 

かっこよすぎるべ…

 

タップ観てぇぇぇぇぇ

 

あ…

ネタバレについて書こうと思ってたのに

いつのまにか色んなとこに脱線しちゃってました