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Re:Re:みちくさ

ゆるくいきてます

千秋楽

今年最後の場所が終わった


白鵬関が

大鵬さんの記録に並ぶ32度目の優勝で

幕は引かれた


表彰式でのインタビューでも

天皇陛下への敬意を示してくれて

日本のことをよく勉強してくれているなぁと思ったし

お相撲が日本の国技であり

自分が打ち立てた記録がどれほど歴史的なものなのかを

きちんと理解してくれているんだなぁと

心から感動した


白鵬関のお相撲は

いつも気迫に満ちているし

他の追随を許さない大横綱だと思う


それは誰もが認めるところだし

表彰式後の映像で

白鵬関が始めて優勝を決めた一番からの

軌跡を映し出してくれていて

それを観て

彼がここまで歩んできた道程を想い

涙が溢れてくるのをこらえられなかった


一緒に見ていた甥っ子も

口をあんぐりと開けて

「このお相撲さんすごいね」

と漏らしていた


ただ

今日の鶴竜関との立ち合いは

いただけなかったかな…と思う…

明らかに早かった

優勝したい気持ちしかなかったのも理解できる

でも  あんなにすごい強さを備えているのだから

普段の発言に見合った取組が観たかったな…

白鵬関からは 時々

発言と行動の不一致を感じる

特にあの丸い結界の中では

隠されたものが全部露わになってしまうから…


今場所 豪栄道関への

右肘のかちあげも

横綱らしからぬ一番だったし

照ノ富士関との一番でも

勝敗が決定して

土俵下に落ちた相手を

さらにダメ押しして

照ノ富士関のみならず

観覧しているお客さんをも

危険な目に遭わせかねない相撲を取っていた…

あんなに強いのに… なぜ…?

と思って

観ていて悲しい気持ちになった…


彼の強さは圧倒的なのだから

勝ち急ぐことなく

角界の顔として

正々堂々とした相撲を取って欲しいな…

と 心の底から願ってやまないのだが…

いかに大鵬さんと並ぶ記録を打ち立てた横綱であろうと

勝ちたい気持ちは他の力士たちと同じなのだろうけれど

心技体 全てを備えた大横綱であって欲しい…と

土俵の外側で見守るしかない1ファンは思うのだ


そして 今場所を面白くしてくれたのは

その白鵬関の後輩でもある照ノ富士関の

急成長だった

彼の取組は本当に面白かった

彼自身の勝敗は別として

照ノ富士戦は毎回 

簡単に勝負をつけさせない相撲を取っていた

あと二場所も経験すれば

稀勢の里関に勝るとも劣らない関取に

成長していく気がする


他にも好きな力士はたくさんいるけれど

今場所で わたしのイチオシ力士が決定してしまったかな?と思う


さてさて

先場所で彗星のように駆け抜けたモンスター逸ノ城関

予想通りの今場所だった

どの力士も 逸ノ城関を警戒して

攻略の手を練ってきていただろうし

今場所はそんなに簡単には勝たせてもらえないだろうと思っていた

本人が再三再四口にしていた立ち合いの変なタイミングも

相手にとっては弱味として取られるし

立ち合いで気持ちが挫けたことが

黒星に繋がってしまった一番も見受けられた

これからもっと精進をして

白鵬関に土をつけるような存在となって欲しい


とはいえ

まだまだ若い白鵬関の独裁体制は続いていくだろう


横綱という名を冠した者は

自らの成績だけではなく

相撲界全体の活性化も視野に入れて

行動しなければならない義務のようなものも背負っている

技体は充分に備えている白鵬関に

心があともう少し加われば

非の打ち所のない名横綱になれると思う


個人的には

鶴竜関にその心があるように思う

ひたすら真面目に相撲と向き合うその姿に

日本人と同じ またはそれ以上の気概を感じる

おそらくは今場所の結果にも

決して満足はしていないはずだと思う

横綱という名を戴いたのに

横綱になってからの優勝は全て白鵬関に譲ってきた悔しさの中に

身を置いているはずだ

あくまでも個人的な印象にすぎないのだけれど

画面を通じてそんなことを感じさせてしまうほどに

あの丸い結界は

人の生き様を全てさらけ出してくる

あの場に立ち 相手と取組む者は

まわしのみ身に纏い

裸同然の姿で戦う

逃げも隠れも出来ない小さな空間で

それまでの稽古で蓄えた技量を競う時

心までもが隠しようもなく迸っていくのもまた

必然という気がする

わたしがお相撲を好きな一番の理由は

きっとそこにあると思う



他にも応援したい力士はたくさんいる

嘉風関   豪風関   勢関    遠藤関

松鳳山関   

そして  旭天鵬


旭天鵬関  

ひとたび土俵での立ち姿を観た瞬間に

その美しいボディバランスに惹きつけられてしまう

好きにならずにはいられない魅力がある

そして  土俵を降りた旭天鵬関が支度部屋に戻る際

花道を歩く姿で完全に心を奪われる

付け人の方とにこやかに花道を去る姿が

毎回印象的で

そういった心の余裕が

40歳という年齢で三賞の一つである敢闘賞を獲得できる場を生むのだろうと思う

白鵬関は快挙を成し遂げたけれど

旭天鵬関も それと同じくらい素晴らしい記録を打ち立てていたのだ

もっと注目されてしかるべきと思うけれど

旭天鵬関にとっては

そんなことさえどうでもいいことなのかもしれない

常に自分と向き合いながら

周りを和やかにしていける人柄

それでいて強い

わたしが小さな頃から思い描いていた  お相撲さん  の姿が

そこにあるような気がする

来場所も旭天鵬関の笑顔に逢えるのが

今から楽しみでならない


ああ

こんなに長々と書いてしまうくらい

お相撲は面白いんだ

観れば観るほどに


そのうち一人一人の力士所見など

書き出してしまいかねないくらい


来年こそは両国デビューして

あの場の空気を全身で味わいたい


九州場所  本当にいい場所でした

力士のみなさん  行司呼び出しのみなさん

関わっておられた全ての方々に

いい場所をありがとうございました

と お伝えしたい気持ちでいっぱいです


また来場所を楽しみにしています


これにて本日打ち止め〜