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Re:Re:みちくさ

ゆるくいきてます

職人たちの恋愛オムニバス

 

路地恋花 1 (アフタヌーンKC)

路地恋花 1 (アフタヌーンKC)

 

 本日はマンガの感想などを


最近 新しいマンガを開拓してないなぁと思いながら
日課である本屋ぶらり旅をしていた

すると この表紙がパーーッと目に飛び込んできて
既刊分の全四巻をスーッと手にしていた

購入後 しばらく寝かせておいて
昨日ようやく封を切った


京都の職人長屋を舞台とした恋愛オムニバスマンガで
ひとつひとつのエピソードが丁寧に描き込まれていた

一話目からゆるゆると引き込まれて行って
二話目にしてすでに号泣というね

二話目の話が本当にかわいくて
読みながら「ああ こんなことほんとにあったらいいなぁ」と
ついつい思ってしまう

銀細工職人のみっちゃん(♂)と
そこに突然現れた風花ちゃん(♀)のお話

風花ちゃんはとにかく惚れっぽい女の子で
次々新しい誰かに惚れるたびに
みっちゃんの所に行って銀細工の指輪をオーダーしにいく

初めてみっちゃんに指輪を注文しにいった時
当時の彼氏にこっぴどく騙されて
泣きながら指輪をみっちゃんの所に返品しに行き
「もう指輪なんて見とぉもない」と言った風花ちゃん
(風花ちゃんの家はお金持ちなので お金はちゃんといただいてましたが)

悲しむ風花ちゃんを見るに見かねたみっちゃんは

銀の指輪を新しい鋳型に入れて

風花ちゃんのために新しいクロスを作ってあげた

それ以来 三年もの間で13人の男性と付き合うたびに

みっちゃんに指輪を注文しにいっては そのたび破局
そして再び指輪を別なものに作り替える
というローテーション

でも

ついに風花ちゃんにも運命の人が現れた

今度こそ風花ちゃんを幸せにしてくれる人が現れたらしいのだ・・・が・・・
なかなか注文の指輪の制作に着手できずにいるみっちゃん

みっちゃんに
「なんでそない指輪にこだわんの?」
と聞かれた風花ちゃんは
「・・・だってなぁ その人に 風花の ってしるしをつけたいねん」
と無邪気に言う

でも 破局するたびに指輪は別なものに作り替えられてきた

携帯ストラップ

ブレス ピアス かんざし ブローチ アンクレット
チョーカー ネックレス ペンダント キーホルダー
指輪以外のあらゆるものに

今や元の指輪よりも手が込んだものになっている始末

「これ以上別なもんに作りかえさせるのやめてくれ もうネタがないねん」

風花ちゃんのことが好きなくせに 自分ではよう言わんみっちゃんが
切なくて泣けた

そして 風花ちゃんが「風花のってしるしをつけたいねん♪」と言う場面の
回想シーンで

「全身 俺のしるしつけて 何言うてんねん」

とモノローグ入るところが もう絶品すぎる演出で
どわあああああああっと泣いたwww


ま でも 結局風花ちゃんはその彼氏にも振られて
結局みっちゃんと風花ちゃんはめでたしめでたしなのですが
一見クールなみっちゃんの 風花ちゃんへの想いの深さが
見事なほどに描かれていて
この2人の恋の行方とかいうよりも
みっちゃんの心の動きの全てに

完全に心奪われていたわたしでした。

モノローグの入れ方とか
肝心な台詞の時の表情とか
コマ割りとか 話の運び方とか
もうもう全てにおいて完璧な第二話だったと思ってます
一度も集中をそがれることなく
グググググイイイイイイッと引き込まれるようにして読めました

いやぁ ほんまに素晴らしかったわ
(゚∀゚ノノ゙パチパチパチパチ

こういう 良質な短編小説みたいなマンガに出会うと
ほんっとに幸せな気分になる

全てにおいてはんなりした京言葉で語られていて
それがまた物語に華を添えていた

西の方の言葉って ええよねぇ~

「俺やったら絶対泣かせたりせぇへんから」

って もう なんか 反則やろそれww


他の話もええ話やったのに
二話だけでこないにスペース取ってもーたやないか


でもね
この二話を読むだけでも 充分に価値あるマンガだと思いました

台詞とモノローグの使い方が秀逸でした

久々に ちゃんとした恋愛ものを読んだ気がしました

最近の少女漫画は 2人がくっついた瞬間に
いたしちゃったりするんでねぇ・・・
もっと細かい心の動きとかないの?と
つまらなく思っていたので
こんな風に 心の動きを丁寧に描いてくれるマンガ家さんは
速攻わたしのお気に入りリストに追加されるのであった

物語は やっぱり心の動きを描いてこそですしねぇ
ええ