AX

Re:Re:みちくさ

ゆるくいきてます

諏訪の旅 一日目

せっかく旅をしてきたのだから

旅の雑記でもつけようと思い立った

 

幾日も前から旅の準備をバタバタやっているうちに

あっという間に出発の日になっていた。

 

前日は毎度のことながら、

ワクワク病で眠れなかった。

 

8時発の高速バスに乗り込んで、

長野駅に向かい、そこからJRに乗り換えて諏訪まで。

 

行きのバスは通路側だった。

途中のバス停で、ジャニーズうちわを持参して乗り込んでくるJKが。

彼女はわたしの隣に座った。

 

わたしにとってもお馴染みのジャニーズうちわを見て

ひゃああああっとテンションアップ。

思わず

「今日は長野で誰かのライブがあるんですか?」

と尋ねてしまった。

すると、最初は不審がっていた彼女も諦めた風情で

「へいせいじゃんぷのライブがあるんです」

と答えてくれた。

 

それからしばらく小声でジャニーズ話をして盛り上がっていたが、

わたしが途中で睡魔に襲われてしまって、中断を余儀なくされた。

 

駅に着いたバスから降り、互いに手を振り合ってお別れ。

グッドラックJK

 

 

スーパーしなのとかなんとかいう特急に乗り込んで

松本で中央本線あずさがどうのこうのっていう

これまた特急に乗り換えて、

わたしはジョジョに上諏訪に近づいていた。

が、それと同時に決断の時も迫っていた。

「どこで降りて どこから先に観光するか?」

を、電車の中で決めなければならなかった。

 

旅に出る時、わたしはまずプランを立てない。

立てたとしても、それはそれはザックリとしたプランだ。

観てみたいところだけを心に描くのみで、

どこからどう行って、どうやって帰って来るかなど

決めたためしがない。

何もかもが風まかせ。

風まかせすぎて、帰れなくなることもしばしばだ。

 

でもまぁ、遠い異国を旅しているわけではないし、

日本語通じるし、足だってついてるし、で、

どうにかなるものなんですよこれが。

 

 

さぁ せっかく諏訪なんだから

まずは諏訪大社でしょう、と。

春宮と秋宮は翌日に行く心積もりだったので、

最初は前宮と本宮へ。

 

 

しかしながら、バスは1日に数えるほどしか出ておらず、

やむを得ず茅野駅で降りてタクシーに乗り込んだ。

 

運転手さんとトークしていたら、

「前宮はほとんど見る所がないから、

 このままメーター止めて待っててあげるよ。

 前宮の参拝が終わったら、また本宮まで連れていってあげるよ」

と言ってくださった上、神社での記念撮影までしてくださって、

本当にありがたい限りだった。

わたしの旅は、いい人に出会う確率がとても高い。

というか、悪い人に出会ったためしがない。

 

 

諏訪の神様が一番最初に降り立ったという前宮だけあって、

スーッと涼しい風が吹いていて、

じぃぃぃぃんとした。

 

四つの神社のうち、この素朴な神社が一番好きだったし、

もっとこの場所に居たいと思ったけれど、

運転手さんを待たせてしまっているから、

駆け足で過ぎてしまって勿体無かった…。

次は車の運転が出来るツレと一緒に来ようと誓った。

 

それから本宮へGO

本宮は残念ながら工事中…

絵に描かれた本殿に向かって参拝するという

端からみたら間抜け極まりない状態だったけど、

ここではじっくり参拝できて

一時間くらいウロウロと滞在した。

神社には少なくとも一時間はいたほうがいい、と

誰かが言っていたのを思い出したためであるが

まったくもってうろ覚えなのである。

 

 

そこから、余力があればガラスの里に赴こうと企んでいたけれど、

顔が汚れてチカラが出ないアンパンマン状態だったので、

一度茅野駅に戻り、預けた荷物を取ってきて、

一時間に一本しか走っていない中央本線の普通列車を

死ぬほど待って、上諏訪の駅に到着。

 

 

旅館からの迎えのバスを待つ間に、

駅前のタリーズコーヒーでカフェラテをいただいて、

バスに乗り込んで旅館に着いたのが夕方4時前だった。

 

 

案内された部屋に荷物を置いて、あっちこっち部屋をいじり倒して、

用事もないのに冷蔵庫を開けたり、クローゼット開けたり、

水出したり、お湯出したりなどした後、

やっと部屋の窓を開け、外の景色を眺めたら、

そこには諏訪湖がぶわぁっと広がっていた。

ハッと我にかえった。

旅館の部屋をいじり倒している場合じゃない。

外へ出よ、自分!

 

 

諏訪湖は一周15キロ以上。

散歩というには甚だ小旅行すぎる。

ので。

旅館の左右200メートルくらいをフラフラした。

それだけでも面白い発見が山のようにあって、

湖畔に座り込んで夕日が沈んでいくのをずっと眺めていた。

水面に映る夕日が、様々に色を変えていくのをしんみり観ていたら

いきなり背後から間欠泉が

「どしゃーーーーーあああああああああ!!!」

と噴出・・・

つくづく、しんみりが似合わない女である…

 

 

この日は朝から歌舞伎揚げのミニパック一つしか口にしておらず、

ペコペコなお腹を抱えていた。

旅館の料理を完食せんがためである。

何があってもキレイに平らげるつもりでいた。

その前に、湯に浸かろうと大浴場へ行くと、

わたしの他には誰も人がおらず、

大きなお世話ながら

「連休なのに大丈夫かこの旅館…」

と、心配になった。

 

しばらくするとおばさんがお一人入ってこられた。

 

全身に余すところなくお肉をつけられたその体躯を

湯船にずさぁーっと沈め、

大浴場に備え付けのテレビの前まで

何故か平泳ぎで泳いで行かれた。

このテの温泉に来ると、必ず一人は

平泳ぎをしているのは何故だろう?

その余波が、こちらにもぐわんぐわんと寄せては返し、

自然とこちらの体も前後に揺れる。

平泳ぎで泳いだおばさんは、

それからも、お風呂のヘリを手で掴みながら

「その場平泳ぎ」までご披露されていた。

何故?

平泳ぎが健康にいい!と

立川志の輔が言っていたのか?

はたまたあるある大事典マチャアキがいっていたのか?

そんなことを思いつつ、大浴場から見える諏訪湖を見つめていた。

どこまでいっても 

この旅はわたしをしんみりさせてはくれないようだ。

 

 

身支度を整えて、お食事処の個室に向かった。

一人のテーブルはやけに広く、ご馳走も味気ないものになるかと思いきや、

腹ペコ三昧だったあの日の我が胃袋にとって、

たとえ出てきたものが卵かけご飯であろうと大満足できた。

そんな状態で次から次へ運ばれてくるご馳走の数々は、

さながら天上の宴!

ついついビールを多目に頼んじゃいました~\(^o^)/

 

 

一品一品運ばれてくる料理と

空いたお皿を交互に取り替えてくれる仲居さんが

わたしのお皿を見て驚いていた。

「ソースまできれいに食べてくださって!(まぁ、この子いやしい!)」

恥ずかしかった…

「まるで舐めたみたいにきれいですね!(こいつ舐めたな絶対舐めたなこれ!)」

舐めてません…

 

 

中盤あたりから、もう何を食べているのか訳わからずに、

帰れまテンに出ている自分を想定して

「んーっ、これは~、15位かぁぁぁ!!あああああああ」

とか、アクションしながら、一人の食事を堪能していた。

ご馳走様をした時にはすでに瀕死だった。

 

 

その上、デザートビュッフェ…

どんだけ食わせるつもりだ…

食わんぞ、わしゃ食わんぞこれ以上は!!

と、息巻いていたにも関わらず

数々並ぶデザートを眺めていたら

どこからともなく静かで優しい聖女のような声が

「デザートは別腹よね♪」

という台詞とともに脳内をかけめぐる。

そう言われてみると、食べられない気もしなくもなくもなくない。(どっちだよ)

まぁ、じゃ、せっかくなんで、コーヒーだけでも。

と思って、足を踏み入れたが最後、

お皿の上にはしっかり各種デザートを一つずつ盛っていたという次第。

家族連れ、カップルでデザートを楽しんでいる人々を尻目に、

「なんだよこれ罰ゲームかよ!!」

と、一人でしんみり… ここにきてようやくしんみり…

てか、これほんとマジしんみりしたくない場面でのしんみり…

 

 

満腹のお腹を抱え、部屋に戻り、

アロマトリートメントの予約の時間まで

布団の上でごろんごろん。

♪さんずのかわの~ まーめいど~

の部分が自然と口から飛び出していた

ねっころがったマーメイド、いや、トドであった。

 

 

アロマトリートメントのお部屋は二階にあったので、

いそいそと出かけると、

お店の方がわたしを見るなり

「あ!またご来店してくださってありがとうございます」

と、おっしゃる。

「は(・∀・)?」

「え(・∀・)?」

「あのぉ 初めてですここwww」

「あ… えーっ?」

「そっくりさんがいたんですか?」

「似てらっしゃる方がお見えになっていたもので」

そのそっくりさんにとってもわたしにとっても

双方にとってこれほどまでに何の利もない『そっくり』もないな…

と思った。

 

 

アロマトリートメントを施してもらいながら、

いつのまにか眠ってしまったらしく、

「はい… お疲れ様でした~…」

という静かな声に、

びくぅぅぅぅぅっと起きてしまい、爆笑される。

慣れてる そんなこともう慣れてる

 

 

それから部屋へ戻り、あまちゃん動画を観ようとするも

テザリングで観ていたために、動画が二秒おきくらいに止まり

台詞もキレギレで、内容がさっぱりぴーまんであった。

それでもどうにかこうにか内容を掴み、

ちょっとホロリとまですることが出来た自分の補完能力を

ムツゴロウさんが動物王国の動物をわしゃわしゃするみたいに褒めてあげたい。

いいもん!家に戻ったらゆっくりとこの回を確認するもん!と思いながら

眠りにつくわたしだったのだが、

ねえさん。これが帰宅後、とんでもない事件に発展するのでがす。

 

続く