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Re:Re:みちくさ

ゆるくいきてます

出雲の旅・2日目

2日目の朝は早い

土地勘がないものならではの

とんでもないプランを立てていたからだ

 

しかも

そのプランがとんでもないものであることは

のちにタクシーの運転手さんに聞いて知るのだが

出発前のわたしたちは

まだそのプランのとんでもなさに気づいてはいなかった

 

方向をよく把握していない二人が共に出かけると

立てられるプランもとんでもないものになるという事例である

 

 

さてさて

気持ちよく起きて

普段は食べない朝ごはんもいただいて

宍道湖名物しじみ汁も飲み

意気揚々と出雲大社に詣でようとした所

出雲大社行きの電車(一時間に約一本)は

すでに出発した後だった

おうのう!!

最初っからこれですか?!

 

そこで我々は駅前のバスターミナルに向かった

 

見るからに観光客らしき人たちは

多分わたしたちと同じ道をたどって出雲大社に行くはずだ!

とあたりをつけたが

大当たりだった

(だって他に行く所がないもの)

 

10分ほど待った後 やってきたバスに乗り込み

出雲大社に向かった

 

車中で 前の席に座った男の子が

リュックサックの中からおもむろに難しそうな本を出していたので

どれどれ どんな内容だい? と覗き込むように盗み見ていたら

全部漢字で書かれていて

時折 簡易体らしき文字も見える

中国の男の子でした!!

 

言われてみれば 被っていたベースボールキャップ

全て漢字で

なんとか小学校創立何周年記念がどうのこうのっていう意味合いの

言葉が書かれていた

 

あの国から日本に観光に来れる層は

さぞかし大金持ちなのだろうと

少年の親御さんに目をやると

んー そんなに大金持ちな風体ではありませんでした

んー なんでだろう?

 

 

バスは出雲に到着

 

正門に一礼をして 神様のおわす所まで

参道をゆっくり歩いてゆく

 

「晴れ間も出てきたねー!」

「やったね!」

 

などと言いながら歩いていると

鳥居が見えてくる

 

「おっ!あれが注連縄?!」

「おおっ!」

 

と盛り上がりつつ鳥居をくぐると

太い注連縄が!

が? がが??

あれ~?

なんか思ってたより小さい…

注連縄は確かに太いけど…

写真で見るのと 実際に見るのとでは違うのかな?

他にもっと太いのあったりすんのかな?

あれれ?

と 不信感たっぷりでお参りを済ませ

さらに 拝殿の後ろにある本殿への案内にしたがって

歩を進める

そうか! 本殿なんだ! 本殿にあるんだ! 太い注連縄!

そうして本殿に到着するも…

注連縄のシの字もなく

あれ~? あれれ~? なになに出雲~ 

なになになにちょっと 結構期待はずれなんですけど~!

という不満たっぷりな気持ちで参拝を済ませた

ベストオブ不謹慎なわたしだった

 

ものすごい期待感を膨らませすぎたせいで

注連縄が小さく見えてしまったのか…とがっかりしながら

中途半端な気持ちで出雲大社を後にし

表通りにあるおみやげ屋さんの

勾玉に心奪われ

すっかり買い物しにきたテイになってしまっている

 

注連縄はそんなに大きくなかったけど

一目ぼれした石に出会えたからいっか(・∀・)

くらいな気持ちで

ちょっと目についたハンカチ屋さんにも立ち寄ってみた

そのお店のおじさんと世間話やらあれこれしていると

「今日はこれからどちらまで?」

と尋ねられ

玉造温泉に行ってから松江に行くつもりです!」

「ああ じゃあお泊りは松江に?」

「いいえ(・∀・)! 出雲市です!」

「えっ…(ドン引き)」

「えっ…(;・∀・)?」

「女性の方は結構プランを決めずに回られる方が多いですからね…

 地元の人間からすると それはかなりムチャなプランですよ…」

「そ…そうなんですか…(;・∀・)?」

「でも食事は松江がいいですよ ぜんざいも松江の方がいいです」

「ふむふむ(・∀・)」

と 旅のアドバイスもいただき

プラン的には松江に先に行ってから

玉造温泉に行った方がいいと教えてもらい

そのためには何時の電車に乗って

その後どういうコースを辿るのがいいかも教えてもらい

ほぅらごらんなさい ガイドブックなんかなくたって

ちゃんとした旅は出来るのよおーほっほっほっ 

みたいな気分になりました

ありがとう ハンカチ屋のおじさん!!

 

 

出雲から一畑電鉄という鉄道に乗り込み

松江までおよそ一時間

鬼太郎のお膝元は鳥取なのに

島根でも幅を利かせているのは何故かしら?

と思いつつも

水木先生の絵が施された電車に思いがけず乗ることが出来て

こちとらラッキー感しかありませんでしたけども

 

前日の深酒が祟ったのか

電車内で我々は一言も言葉を交わすことなく

文字通り爆睡かっ飛ばして

気づいたら松江

そして…

大粒の雨…

しかも…

気温21度…

さぶい…

 

 

目的の出雲そばを堪能せんがため

グーグルマップ先生にお出ましいただき

地域で一番の老舗と言われる上田そばというお店に

 

 

出雲そばを食べるつもりが

そこまで歩いて冷え切ってしまった我々の体は

確実に温もりを求めていた…

あろうことか…

わたしはそこで…

鍋焼きうどんなるものを注文してしまったのだ…

友は

「わたしはせっかく来たから出雲そばを頼むよ!」

と ヤセがまんそばを注文

 

 

でもねでもね

この鍋焼きうどんがね

絶品!!!

お出汁がちょっと甘い感じで すっきりと澄み渡っていて

まぁぁぁぁぁおいしいのなんのって!!

一緒に入っていた鳥肉の味わいもぎゅぅぅぅっと詰まっていて

得した気分

わたしがうまそうにうどんをすすっているのを見た友は

お店の人に

「すいません 小さいお椀ください」

と要求し

わたしの鍋焼きうどんを奪って食べ始めたほど!!

わたしも出雲そばをちょっともらったけどね♪

出雲そばもびっくりするほど美味しくて

ペコペコだった我々のお腹はたっぷり満たされ

そのまま松江城を見学しようかと思った頃には

時計はもう午後4時を示そうかという時刻…

 

間に合わない…

このまま行ったら絶対に玉造温泉に間に合わない…

 

そう判断した我々は

重要文化財(ドヤ)である松江城をあっさりと諦め

雨に煙るお城を遠くから激写するだけに留め

「また晴れた時に来ようね!」

という 多分100%口からでまかせな言霊だけを残し

さっさと玉造温泉に向かったのでありました

 

 

JR松江駅から玉造温泉に行く車内で

高校生のカップルが乗り込んできて

その会話を盗み聞くことで 出雲の方言を堪能しようと思うちょったがに

「座れないねっ♪」

「そーだねっ♪」

「こないだ○○が部活の時にこんなこと言っててさ~」

「えーっ ないでしょそれ」

みたいな おまえらどこのバカップルですか?!的な

標準語のオンパレードだったことにガックリと肩を落としたわたしは

今にもくっつきそうな瞼を必死に上げながら

玉造温泉駅に到着するまで耐え抜いて降り立った駅は

それはそれは簡素な駅でありました

 

 

そこから

まぁ もうすでにお察しの方もいらっしゃるとは思うんですけど

玉造温泉に降り立ってから

「日帰り入浴をさせてくれる温泉宿」

を その場で電話をかけて探しましたからね 我々

調べないにもほどがあるってもんですからね ふんとに

 

 

三軒ほど断られ

「うひゃー!どーする!寒いよどーする!」

ってなっていた我々を救ってくれたお宿

それが 玉造温泉「松之湯」さんでした

 

タクシーを降りた我々を

法被を着た番頭さんがお出迎え

「お荷物お持ちいたしますよ!」

「いえ… あの… わたしたち日帰りなんで( ;∀;) すいませんすいません」

そんな肩身の狭い思いで 日帰り温泉を楽しみましたよ♪

【公式サイト】玉造温泉 松乃湯 日本最大級 縁結び“まがたまのある旅館”“最低価格保障”

 

お風呂は広くてとてもキレイ!

サウナも露天もあって

アメニティも豊富!!

次来るなら ここに宿泊したい!!と思いつつ

玉造温泉を後にした時は 午後6時半を回っておりました

 

帰りのタクシーの運転手さんに

出雲大社の注連縄って 意外と小さくて驚きました(・∀・)」

って ついつい口を滑らせてしまい

おっと… しまった… と思っていたら

「お客さん!! 神楽殿の方見てないでしょ?!」

「は? かぐらでん?」

「どこに参拝されましたか?」

「え? ふつーに鳥居くぐった所でしたけども?」

「チッチッチッ 大きい注連縄は神楽殿にあるんですよ!」

「えええええええええええええええええええ!!!!」

前日に『出雲縁結び空港』の名前を発見した時以上の驚きが

我々を襲いましたよ…

行き当たりバッタリすぎて

完全スルーしちゃってたんですよ 大注連縄を!!

日光を見ずして結構と言うなかれ!! みたいなのを

そのまんま実践しちゃってたよね!!!

やばいよね!!

大注連縄を見ずして 出雲に行ってきたよ♪ って言っちゃダメだよね!!

 

ってことで

帰りのタクシーの中で

我々は

最終日 再度出雲大社に行くことを決意するのでありました

うっかり口を滑らせなかったら

我々が見たふつーの注連縄を

大注連縄だと勘違いしたまま 棺桶に入るところでしたよ!!

あーよかったー!!

ガイドブックを熟読しないと

その地で一番の見どころを見ないで帰るってこともあるんですよ!!

ちゃんと読まないといけませんよ!!!

(しかし次の旅でもこの教訓は生かされない 多分)

 

 

出雲市に向かう電車の中で

出雲大社で見た注連縄が何故にあんなに無迫力だったのかを

語り合いながら

最終日に行くはずだった足立美術館の予定を全部白紙に戻し

『大注連縄を観ることに全力を注ぐ』ことを決め

駅についた途端 ご当地居酒屋を探して

夜の町に消えるわたしたちなのであった…

 

かんぱーい

 

最終日はまたページを改めて(・∀・)