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Re:Re:みちくさ

ゆるくいきてます

愉快な人

友達は

そんなに多い方じゃない

でも

それを恥じたこともなければ

友達の多い人を

羨ましく思ったこともあんまりない

 

 

意外と思われるかもしれないが

人間関係において

わたしは完全に受け身だ

自分から積極的に

どっかいこうなどと誘ったりすることは

まぁ~滅多にない

おのずと  誘い待ちになる

 

わたしのような人間と

長く友達付き合いしてくれる人がいるだけで

実にありがたいことだなぁと

心から思う

 

そのうちの一人が

ずっと同人誌を描いている友だったりする

 

彼女は関西在住である

 

ある時

ひょんな同人誌イベントで知り合って

連絡先を交換し

あれよあれよと言う間に

仲良くなってしまった

 

当時

拙いながらも文章などを書いて

うっすい本などを作っていたわたしと

圧倒的画力で自分の世界を思う存分表現していた彼女とでは

表現者としても月とスッポンだったし

わたしの立ち位置としては

すごい作家さんとそのファンくらいな感じだったが

それも最初のうちだけで

彼女を知れば知るほどに

その愛すべきキャラの虜になっていった

 

仕事柄 勤務時間がまちまちな彼女は

どんなに忙しい時も

必ず絵を描く

 

それも

義務感からではない

「絵を描くの楽しい!」の一心で

日々楽しみながら絵を描くのだ

 

職場での飲み会も

帰って絵を描く余力を残しつつ飲むし

次の本にするネタをいつも考えている

 

彼女はいつだってとても幸せそうで

締め切りに追われている時でさえ

それは変わることがなく

絵を描ける幸せを

毎日満喫しているのだった

 

締め切り前の恒例行事と化している

作業しながらのスカイプを

もう幾度となく繰り返してきた

 

彼女があまりにも楽しげに

自分の作品を描くものだから

わたしもついついそれに引き込まれてしまって

常日頃考えている新ネタを提供すると

ものの見事に描いてくれたりもする

 

彼女を見ていると

努力ってなんだろうな?と思う

 

これをやれば これさえやれば

もっともっと高みを目指せるはず!

という気負いが全くない

ただただ楽しいからやる

結果  上手くなる

そんな感じだ

 

心の赴くままに

素直に

目の前の好きなことに没頭する姿は

ちょっと神々しい

 

こうじゃなきゃいけない

という縛りがなにもないことが

上達への一番の近道なのかもしれないなぁと思う

 

今日だって締め切りに追われているはずなのに

ひたすら楽しげに原稿を描きながら

次回の構想を話してくれる彼女を

心の底から尊敬している

 

スカイプの途中で寝ちゃったり

自分ちの鍵失くしちゃったり

iPhoneを二台立て続けに水没させちゃったり

通い慣れているであろうはずの

通勤電車も

反対方向のに乗っちゃったり

パソコンで描いた原稿を

保存しないで終了して

また最初からやり直しするハメに

陥っちゃったり

ほんと枚挙にいとまがないほどの

ドジの連続で

傍についててあげたい欲を

掻き立てられ放題だったりするのだけれど

それだけ彼女の頭の中は

作品のことでいっぱいで

そんな彼女に

いつも刺戟をもらうだけもらって

なんにもお返し出来ていないのは

わたしの方なんだろうなぁ

と思ったりするのだ

わたしでよければ

いつでも相手になっちゃるよ  と

思わずにはいられないのだ

 

締め切りまであとわずか

毎回「今回会場で手描き原稿描くハメになる…」

と言っては

わたしの肝を冷やす彼女だけれど

いつもみたいにきっちり締め切りに間に合って

固定ファンの方々を楽しませてくれるに違いない

 

今宵も寝落ちしてしまった彼女に

おやすみぃ〜と言って

スカイプを切った

 

彼女の熱が伝わって

わたしも

何か書きたいだけの人になってしまっているようだ